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京都府外国人介護人材支援センター  インタビュー 介護福祉士国家試験合格者の支援について(アサヒケアサービス株式会社、京都介護サービス協同組合)

2023年05月26日

 京都府外国人介護人材支援センターでは、外国人介護人材に関する情報発信を行っております。
 今回は、介護福祉士国家試験に合格されたミーさんとアンさんの受入法人であるアサヒケアサービス株式会社と監理団体・登録支援機関として支援をされている京都介護サービス協同組合の方にお話を伺いました。(取材日:2023年5月15日)

 

※掲載内容はすべて取材時点のものです。
※感染症対策を行った上で取材を行っております。

 

ミーさんとアンさんのインタビュー記事はこちら

 

インタビューに御協力いただいた皆さん

 

(前列)

・京都介護サービス協同組合 代表理事 吉谷 正紀さん

(後列左から)

・ベトナム人介護職員 ディン・ティ・トゥイ・ミーさん

・アサヒケアサービス株式会社 代表取締役社長 藤田 知子さん

・京都介護サービス協同組合 事務局長 木原 由佳里さん

・ベトナム人介護職員 レー・ティ・トゥイ・アンさん

 

(写真撮影のためにマスクをはずしています)

 

 


■アサヒケアサービス株式会社について教えてください。

 

(藤田さん)

京都市と滋賀県でグループホーム、デイサービスセンター、ケアプランセンターを運営しています。現在、6名の外国人介護職員を受け入れています。

 

 

 

 


■外国人介護職員の方を受入れるにあたって、工夫されたことやサポートされたことについて教えてください。

 

(藤田さん)

 働きやすい職場というのは外国人にとっても日本人にとっても同じだと考えています。ただ外国人職員がより能力を発揮できるためには+αでの配慮を行う必要があります。そして大事なのは職場だけでなく、職場以外の環境ではないかと思っています。

 

    1. 住環境 

 技能実習生の場合は住居を整えるのも雇用主の義務になっています。最初にベトナムから来られた時は、一緒に家電類を買いそろえ、なるべく本人たちの希望に沿うように選びました。また住む場所も最初は本社の近くのアパートを借りていましたが、今は一軒家で暮らしてもらっています。家には庭もあり、植木で植物を育てたりもしているようです。

 

 町内の人にも受け入れてもらい、お花見や季節ごとのイベントにも連れて行ってもらっているようです。私も社長として町内の方には何度かあいさつに出向きましたが、皆さん口をそろえて外国人職員のことを褒めてくださいます。

 

    1. 生活のサポート

 事業所の管理者が外国人職員の生活上で困ったことを聞いて、対処してくれているようです。せっかく京都に来てくれたから、と観光地も一緒に連れて行ってくれていました。

 

    1. 職場でのサポート

 語学的な意味ではこちらでベトナム語を話せる職員はいなく、中々サポートはできなかったと思います。ただ日本人職員はなるべくゆっくり話すことや、話していることが伝わっているかの確認をしながら会話はしてくれていたようです。言葉を紙に書いて教えたりもしていました。

 

    1. 食事

 事業所では昼食は入居者様と同じものを食べるのですが、ベトナムと日本では味付けが異なるため、最初は苦労したと思います。日本人職員は外国人職員に味の好みを聞いたり、また外国人職員は事業所でベトナム風の味付けで昼食を作ってくれたりと、お互いに受け入れて努力してくれていたようです。

 

 当事業ではじめて外国人を受け入れた際は、まだ周囲の介護事業所では外国人職員の存在は一般的ではなく、手探りでの受け入れ開始でした。そのため十分なサポートをできた、という自信はなく、事業所の職員と外国人職員が頑張ってくれたのだと思っています。

 


■ミーさんとアンさんが介護福祉士を取得するにあたって、どのようなサポートをしましたか?

 

(藤田さん)

 介護福祉士取得まではできる限りシフトの希望は聞き、勉強については他の職員に教えてもらったりもしていたようです。

 


■資格取得に向けて頑張っているミーさんとアンさんを近くで見ていて、どのように感じておられましたか?

 

(藤田さん)

 外国人職員の受け入れ前は正直不安でした。認知症高齢者の介護というのは相手の思いをくみ取り、気持ちに寄り添い、相手を最大限尊重したコミュニケーションが重要だと考えていたので、言語も文化も違うのにそれが可能なのか、と考えていました。

受け入れてみるとミーさんもアンさんもとても誠実で努力家で、こちらが学ぶことのほうが多いくらいでした。

 毎日の勉強を積み重ねて、資格取得に向けて勉強を始めた二人を眩しく見ていました。事業所の職員もそうであったと思いますが、二人の努力する姿勢を見ていると自分自身ももっと努力しよう、という気持ちにさせられます。前向きに努力し、自分自身を成長させようという意思がわいてきます。

 


■外国人介護職員を受け入れてみて、変化はありましたか?

 

(藤田さん)

 当社では、外国人介護職員を受け入れるようになってから、施設の雰囲気が以前よりも明るくなりました。ミーさんとアンさんは、2人とも、とても前向きで明るく、真面目です。そんな2人だから、周りの人も「いろいろ教えてあげたい」という気持ちになるようです。また、2人とも利用者さんに対して愛情を持って接しているのが、とてもよく伝わってきます。

 


■介護福祉士取得のために、どのようなサポートされましたか

 

(木原さん)

 介護福祉士という資格があることや、技能実習終了後はどのような選択肢があるかということは、来日後、早い段階で情報提供を行い、外国人介護職員が将来のことを考えて準備ができるよう、サポートしています。

 

 ミーさんとアンさんは、2022年6月から12月まで実務者研修を受講したのですが、まず、受講先を探すところから始めました。研修について、EPA 外国人介護福祉士候補生への教育に豊富な経験をお持ちで、また、外国人介護職員向けの研修講師も務めておられる京都保育福祉専門学院 副学院長である岡本先生に相談したところ、「介護課程」に時間をかける研修日程を作成していただき、2人とも無事に修了することができました。研修で使用するテキストにもすべてルビを振っていただいたおかげで、2人も理解が深まったようです。
他には、2人が実務者研修を受講する際の負担を軽くするため、「実務者研修受講資金貸付」について利用できないかを京都府社会福祉協議会に相談し、貸付の手続きをサポートしました。
そのように、必要な情報を提供し、外国人介護職員が自分の希望する道へスムーズに進めるよう、サポートをしています。


■京都介護サービス協同組合では、外国人職員の方や施設の方へどのようなサポートをされているか教えてください。

 

(木原さん)

 当組合では、毎月、支援している事業所を訪問していますが、訪問時には、責任者、指導員、生活指導員と面談し相談に乗っています。また、事業所職員や外国人職員から電話やメールで連絡があった際は、できるだけ早く対応するようにしています。他には、お花見交流会やバーベキュー等、外国人職員と事業所職員に参加していただく交流事業も行っています。

 ミーさんとアンさんのケースでは、アサヒケアサービス株式会社の本社と当組合の事務所が近いこともあり、来日後に住んでいただくアパートは、本社と当組合の事務所の近くに準備しました。勤務する事業所までの通勤は少し大変だったかもしれませんが、相談相手が近くにいて、いつでも相談できる環境は、2人の安心感にもつながったと思いますし、私達との信頼関係を構築することにもつながりました。

外国人職員の方とは、できるだけ顔を合わせてつながる機会を作り、励ましながらサポートしたいと考えています。

 


■外国人職員の方向けの日本語勉強会について教えてください。

 

(木原さん)

 週1回、2時間程度の日本語勉強会を実施しています。コロナの感染状況によりオンラインで開催していた時期もありますが、可能な限り当組合の事務所に来ていただき、N3やN2のテキストを使いながら勉強しています。勉強会の講師は、私が務めていますが、「先生」というよりは、仲間として一緒に勉強しているという感覚です。勉強や情報交換を通じてお互いに教え合う関係ができたことは、とても良かったです。

 


■日本語作文コンクールについて教えてください。

 

(吉谷さん)

当組合の理念は、「人は人の為に在る、人の為に尽くしてこそ人」です。介護の仕事は、記録業務等、文章を書くことも大切です。また、外国人職員の受入れを検討している事業所の方からは、「日本語はどれぐらい出来るのか」というお問い合わせをいただくことも多いです。

当組合が年に1回、主催している日本語作文コンクールは、外国人職員の日本語能力向上や、作文を通じて自分の将来について考える機会としていただくことが、介護現場で働く上で役立つと考え実施しています。また、外国人職員が書いた作文を事業所の職員が読むことによって、普段の業務の中では見えない外国人職員の思いを知る機会となり、日常生活の支援にも役立てていただけると考えています。今後も日本語作文コンクールを継続することで、京都府内の介護施設で働く外国人職員の定着及び育成の支援をしていきます。

 

(木原さん)

 仕事は、慣れてくると単調になる部分があります。作文を書くことで、自分が「介護の仕事を選んだきっかけ」や「自分の夢」について考える機会としていただくとともに、作文の添削等を通じて事業所職員の方とのコミュニケーションを取ることが心身の安定につながると考えています。また、事業所職員の方にとっては外国人介護職員の夢や思いを知っていただき、支援に活かしていただきたいと考えています。

 


【法人概要】

<アサヒケアサービス株式会社>

・本部所在地:京都市伏見区深草西浦町二丁目96

・TEL:075-641-5411

・アサヒケアサービス株式会社 HP:https://asahicare.net/

 

<京都介護サービス協同組合>

・所在地:京都市伏見区深草西浦町5丁目53-1 ペガサスプラザ205

・TEL:075-642-0810

・京都介護サービス協同組合 HP:http://www.kyoto-kaigoservice.jp/

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