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京都府外国人介護人材支援センター  インタビュー 「思ったほど困難なことはない。心配する前に受け入れてみて」(特別養護老人ホーム「すないの家 太秦」)

2022年05月20日

 京都府外国人介護人材支援センターでは、外国人職員を受け入れている事業所を訪問しています。
今回は、特定技能「介護」の外国人職員を受け入れている、特別養護老人ホーム「すないの家 太秦」でお話を伺ってきました。(取材日:2022年4月19日)

※掲載内容はすべて取材時点のものです。
※感染症対策を行った上で取材を行っております。

 

 

インタビューに御協力いただいた3名(左から介護主任 藤原 淳史 さん、施設長 村上 ちこ さん、介護職員 ファジャル シディク さん)

(写真撮影のためにマスクをはずしています)


■「社会福祉法人 かなえ福祉会」、特別養護老人ホーム「すないの家 太秦」について教えてください。

 

(村上さん)

「社会福祉法人 かなえ福祉会」は2011年に愛知県で設立後、愛知県と京都府で特別養護老人ホームと保育園を運営しています。京都市では、特別養護老人ホームを2か所運営しています。

 「すないの家 太秦」は2021年6月に開設した120床のユニット型特別養護老人ホームです。入居者様も職員も、いつも笑顔で楽しく過ごせることを目指しており、施設理念は“笑顔溢れる施設”を掲げています。

 入居者様の安全が確保されている限り、職員間に「喜怒哀楽」の「怒」はいらないと考えており、法人本部からも「この施設は、いつも明るく楽しそうだね」と言われています。

 


■外国人職員の受入れについて教えてください。

 

(村上さん)

 「すないの家 太秦」のオープニングスタッフの介護職50名のうち10名は特定技能(介護)のベトナム人を採用しました。現在は、特定技能(介護)でベトナム人とインドネシア人の職員が働いていますが、全員、介護の仕事は未経験でした。介護技術は入職後に身に付けることもできるので、主に人柄を重視して採用しています。

 


■外国人職員を受け入れてみて、どのように感じていますか?

 

(村上さん)

 様々な国籍の職員が一緒に働き、様々な文化に触れることができるのは、おもしろいと感じています。外国人職員への指導を経験することで、日本人職員の指導スキルが向上するため、新入職や未経験の日本人職員への指導にも役立っています。また日々の気づきや取組みの中で「すないの家 太秦」独自の外国人職員育成マニュアルが進化していきます。外国人職員と一緒に働くことは、日本人職員にとっても成長する機会になると感じています。

 


■これまでに、困ったことはありましたか?

 

(村上さん)

 職場に香水やネックレスをつけてきた外国人職員がおり、対応方法に悩みました。日本人にとってアクセサリーとして扱われるものも外国人にとっては無くてはならないものの場合もあります。そのような時は、「入居者様の安全・安心を確保しながら、お互いの文化や宗教を尊重するためには、どのように対応すべきか」ということを、各ユニットのリーダーが集まるリーダー会議や委員会で共有し、対応方法を検討しています。小さな出来事であっても、同じようなことが他のユニットでも発生する可能性があるので、些細な困りごとも職員同士で情報共有し、みんなで気持ちよく働ける職場づくりに努めています。

 


■外国人職員を採用するにあたって、工夫していることはありますか?

 

(村上さん)

 同じ国の外国人職員を多く採用すると、どうしても母国語でコミュニケーションを取ってしまいます。日本語能力を向上させるため、“施設内での共通言語は日本語”としています。そのためには、あえて様々な国から受け入れることも良いと感じています。

 他には、特定技能は転職ができるため「看取り介護が精神的に辛い」とデイサービスに転職した職員もいました。日本人職員も同じですが、離職を防ぐためには採用段階で施設や業務のことを良く知ってもらい、「ここの施設で働きたい」と思ってもらうことが大切だと考えています。

 


■外国人職員の受入れに当たって、職員や入居者様の反応はいかがでしたか?

 

(村上さん)

 入居者様については、戦争を経験されている方もおられるため、不安に思っていました。でも、外国人を受け入れてみると、みなさん、「遠い国から来て、大変だったね」と温かく接してくださり、杞憂に終わりました。

 

(藤原さん)

 日本人職員では介護拒否がある入居者様でも、外国人職員だとスムーズに介助ができるというケースは多いです。中には「●●さんにお風呂に入れてほしい」等と指名を受ける外国人職員もいて、入居者様から引っ張りだこです。

 

 

 

 


■業務内容について教えてください。

 

(村上さん)

 外国人職員は入職後6か月以内に、一人で夜勤業務ができるように育成します。また、当施設には、各フロアの夜勤担当職員の他に、すべてのフロアにサポートに入れるフリー夜勤の職員を配置しています。特に外国人職員が夜勤を始める際に、開始間もない頃は同じユニットの職員にフリー夜勤のシフトに入ってもらい、サポートができるよう配慮しています。

 

(藤原さん)

 フリー夜勤の職員は、看取り介護の対応で不安になっている外国人職員のメンタルケアも行っています。緊急時対応等もサポートすることで、不安を軽くできているようです。

 日勤業務については、最初は日本語能力に応じて業務を振り分けており、日本語が苦手な職員は配膳や掃除業務等を行いながら、入居者様とコミュニケーションを取りつつ日本語に慣れていくよう工夫をしています。

 


■研修はどのようにされていますか?

 

(村上さん)

 新入職員研修等については、日本人職員向けの資料にルビを振るといった工夫をする等して、外国人職員も一緒に同じ内容の研修を受けます。できるだけ実技を多く取り入れ、誰にでも分かりやすいようにしています。

 また、入職後も外国人職員を対象とした日本語研修を定期的に開催しており、自主的にレクチャーを申し出てくれる職員もいます。他には、施設職員向けに開催している定期研修には日本語教師の資格を持つ講師の方にも来ていただいています。外国人職員にとっても分かりやすい内容・言葉で研修をしていただくことが大切で、日本人と同じようにスキルアップできるよう支援しています。

 


■日本語能力の向上のために、工夫されていることはありますか?

 

(村上さん)

 京都市と京都市老人福祉施設協議会が主催している「外国人介護職員向け日本語能力・介護技術研修」や国際介護人材支援Webサイト「にほんごをまなぼう」等、無料の研修やコンテンツを利用しています。また、「業務時間中は日本語のみを使用する」というルールにしていますが、母国語で会話をする外国人がいても、「今の言葉は、日本語ではどのように言うの?」と質問をして、みんなで一緒に日本語を勉強しようという雰囲気づくりをしています。

 また、施設内に自習室として使用できる部屋もあり、ボランティアで日本語を教えてくれる日本人職員もいて職員同士のコミュニケーションの場にもなっています。

 待遇面では、日本語能力試験に合格すると手当が上がる仕組みにしており、日本語を学ぶことへのモチベーションに繋がるよう工夫をしています。

 


■日本人職員と外国人職員との交流はどのようにされていますか?

 

(村上さん)

 コロナ禍でなければ、会食やイベントを実施したところですが、休憩時間中にみんなで楽しく雑談をするようにしています。先日、インドネシアの職員から一夫多妻制について教えてもらった際は、話が盛り上がりました。文化の違いに驚くこともあり楽しいです。

 外国人職員との雑談の中で、「介護職種の技能実習生として他県で勤務している友人が、もうすぐ技能実習が終了するので次の就職先を探している」という話を聞き、当法人で働かないかと提案したことがありました。このような提案ができるのも、職員同士が仲良くなり、プライベートな話もできる関係を築けているからだと感じています。

 また、買い物に付き添う、日本で生活する上でのルールを教える等、こちらが頼んでいなくても、親切にしてくれる日本人職員もいます。困っている人がいると「何かしてあげたい」と思いやりを持つ職員も多く助かっています。

 


■生活の支援はどうされていますか?

 

(村上さん)

 当法人には、「外国人職員の生活をサポートする担当職員」がいます。ただ、愛知や京都と広範囲で支援をしているため、すぐに対応できない場合もあり、住まいの水漏れや自転車のパンク等、日常生活のトラブルは各施設の職員も対応します。

  実際、外国人職員は、私達が予想もしないような行動をすることがあります。これまでには、アパート周辺の空き地に許可なく畑を作り、野菜を栽培し始めた職員もいました。トラブルが起きた際は、サポート担当や施設職員が先方に謝罪を行い、外国人職員には日本でのルールを伝えています。

  住まいは、法人名義で契約した3~4人で生活できるファミリー向けの賃貸物件を用意しています。

 

(藤原さん)

 入居前に、歯ブラシなどの消耗品も含め、生活用品はすべてこちらで準備しますが、「寒いので、布団を追加してほしい」等の追加物品の準備は、個別に対応しています。「どういう布団が良い?」等の希望を聞いたりすることが、コミュニケーションの機会となり、仲良くなれるきっかけになります。

 


【外国人職員さんにお話を伺いました!】

ファジャルさん(インドネシア出身。2022年4月入職)

 

 

 以前は、製造業の技能実習生として日本で3年勤務しており、一度、帰国してから、特定技能「介護」で働くために、再度、来日しました。介護の仕事を選んだ理由は、親の介護等で、将来役に立つと考えたからです。入職して約3週間です。シーツ交換、掃除等の他、日本人職員にサポートいただいて、排泄介助、入浴介助、食事介助も行っています。

将来の夢は、介護福祉士を取得し、インドネシアにいる妻と子どもを日本に呼んで、家族と一緒に生活することです。そのために、休みの日は日本語の勉強を頑張っています。

 

 


【施設概要】

・名称:特別養護老人ホーム すないの家 太秦

・住所:京都府京都市右京区常盤森町12-1

・TEL:075-950-3800

・社会福祉法人かなえ福祉会 特別養護老人ホーム すないの家 HP:https://kanaekai.net/

(※特別養護老人ホーム「すないの家 太秦」のページは、現在作成中)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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