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京都府外国人介護人材支援センター  インタビュー 【日本語教室見学】社会福祉法人 八康会 特別養護老人ホーム 楽生苑

2022年11月28日

 京都府外国人介護人材支援センターでは、既に外国人職員を受け入れている事業所を訪問しています。
 今回は、技能実習「介護」の外国人職員を受け入れている、特別養護老人ホーム 楽生苑 で実施されている日本語教室の様子を見学させていただきました。(取材日:2022年11月7日)

 

※掲載内容はすべて取材時点のものです。
※感染症対策を行った上で取材を行っております。

 

楽生苑の職員さん(左から)

・介護主任(生活指導員) 柴原裕美子さん

・日本語教室講師 澤田 智子さん

・施設長 山村 大作さん

・介護課長(実習指導員) 中村やよいさん

(写真撮影のためにマスクをはずしています)

 

 


■特別養護老人ホーム 楽生苑 について

 

(山村施設長)

特別養護老人ホーム 楽生苑 は、定員60名の特別養護老人ホームです。

5階建ての建物の中に特別養護老人ホームの他にデイサービスセンター、ショートステイ、ケアハウス、居宅介護支援事業所、ヘルパーステーションがあります。

 

 


■外国人職員の受入れについて

 

(山村施設長)

 2022年7月より、2人のベトナム人技能実習生(チンさん、リンさん)を受入れており、現在、4か月程経ちました。

チンさんとリンさんは、コロナの影響で入国が1年ほど遅れましたが、その間は、月に1回、日本にいる施設長、実習担当者、生活指導員とオンラインで面談を行い、チンさんとリンさんが不安にならないようにサポートしていました。

また、技能実習生を受け入れるにあたって、日本人職員向けにベトナム文化についての勉強会を実施し、2人が安心して働けるよう、準備を行いました。

 


■生活支援について

 

(山村施設長)

 住む場所については、2人で共同生活を送ってもらっています。部屋はそれぞれの個室と共同のスペース(キッチン、お風呂、トイレ等)です。

余暇支援では、月に1回、生活指導員が業務として2人を観光地等に連れて行っており、交通費等の経費は法人が負担しています。

生活指導員には業務として付き添ってもらうことで、負担にならないように配慮しています。

技能実習生と指導者が一緒に外出することは、技能実習生のリフレッシュや日本の文化を知ってもらう機会となる他、技能実習生と指導者のコミュニケーションの機会にもなっています。

 


■講師である澤田さんについて教えてください

 

(澤田さん)

 私は青年海外協力隊、シニア海外協力隊としてマレーシアとモンゴルで活動した経験があります。

病院で理学療法士として勤務していたことがご縁となり、楽生苑さんで技能実習生の受入準備勉強会やその他の勉強会の講師を務めさせていただきました。

チンさんとリンさんの技能実習が始まった当初は、ボランティアとして日本語指導をしていたのですが、法人から「パート職員として日本語の指導をしてほしい」と依頼があり、現在は、週1回のパート事務職員として、日本語の指導をしています。

  私自身としても、今までの海外ボランティアや仕事経験等を活かせるため、とても楽しく、また、有り難く関わらせていただいています。

 


■日本語教室について

 

(澤田さん)

 チンさんとリンさんの業務時間中に、週1回、1時間~1時間半程度、日本語の勉強をしています。

勉強する内容については、業務に必要な日本語の他、関西弁も勉強しています。

また、会話でのやりとりをしながら勉強を進めることで、分かる部分、分からない部分を丁寧に確認しながら勉強を進めています。

2人ともとても勉強熱心で、漢字の読み書きも上達しました。

普段の業務で目にする「廊下」等の言葉も漢字で書けるようになり、成長を感じています。

 

(左から日本語教室講師 澤田さん、技能実習生 チンさん、リンさん)

 

 


■勉強内容について

 

(澤田さん)

 勉強する内容については、現場の日本人指導者に「チンさんとリンさんには、今、どんなことを勉強してほしい?」と確認を行い、現場のニーズに合わせて勉強する内容を決めています。

現場のニーズに応えるため、テキストは基本的に手作りしています。

今日は日本人指導者から「チンさんとリンさんに報告書が書けるようになってほしい」と聞いていたので、「ヒヤリ・ハット報告書の書き方」にしました。

いつも、日本語の勉強をしながら、介護の知識や理念についても勉強できるように工夫してテキストを作っています。

今日の勉強では、日本語を学びながら利用者であるAさんの転倒事故の事例を題材にし、「なぜ、転倒事故が起きたか?」、「事故を防止するためには、どのような対策をすれば良いか?」ということを一緒に考えました。

 

(手作りのテキスト)

 


■関西弁の勉強について

 

(澤田さん)

 利用者さんと円滑にコミュニケーションを取るために、チンさんとリンさんには関西弁も勉強してほしいと思い、毎回、関西弁の勉強もしています。

こちらのテキストも手作りしており、関西弁を学びながら介護の知識や日本の文化の理解につながる内容にしています。

今日は、「事故防止・安全対策」と「紅葉狩り」について、関西弁での会話を通じて学んでもらいました。

テキストの中には、チンさんとリンさんの似顔絵も入れて、楽しく学べるように工夫しています。

 

 

(チンさんとリンさんの似顔絵が描かれたテキスト)

 


■来日の経緯を教えてください

 

(チンさん、リンさん)

 2022年5月に来日しました。その後、監理団体の研修所で2か月間、日本語や介護の言葉、日本での生活マナー(自転車の交通ルール、ごみの分別方法等)について学び、7月から楽生苑での実習が始まりました。

 


■仕事内容について教えてください

 

(チンさん、リンさん)

 最初は、シーツ交換から始めました。

現在は、シーツ交換、おむつ交換、入浴前後の着脱介助等を行っています。

記録業務は、まだ排便記録のみしか行っていませんが、他の職員が書いた記録は毎日読んでおり、内容もほとんど理解できるようになってきました。

 


■日常生活について教えてください

 

(チンさん、リンさん)

 それぞれの個室があるアパートで、2人で共同生活を送っています。

食事は自炊しており、昼食もお弁当を持参しています。

食材は、自宅の近くの業務スーパーやベトナム食材の専門店で買い、ベトナム料理を作って2人で一緒に食べています。

 


■日本語の勉強について教えてください

(チンさん、リンさん)

 来日前にN3の試験に合格していたため、次回の日本語能力試験ではN2に挑戦する予定です。

実習後に帰宅すると十分な勉強時間は確保できませんが、日本語のテキストやスマートフォンの日本語勉強アプリを使って勉強しています。

来日当初は、分からない関西弁が多かったですが、現在は、関西弁での会話もほとんど理解できるようになりました。

 

 


特別養護老人ホーム 楽生苑では、地域で暮らす外国人を対象とした「外国人への日本語教室」を土曜日の午前中に開催することを予定されています。

詳細は下記まで直接、お問い合わせください。

 

【施設概要】

<特別養護老人ホーム 楽生苑>

・住所:京都府久世郡久御山町坊之池坊村中66

・TEL:075-632-1094

・社会福祉法人 八康会HP: http://kumiyama-rakuseien.or.jp/

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